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という題名ながら、今回のテーマは昆虫。

前回、巨大昆虫について少し書きました。

昆虫に巨大化には酸素濃度が関係していますが、高濃度であった中生代であっても50~100㎝程度です。現代からすれば充分巨大ですが、それでも漫画やアニメ、ゲームなどで見かける人間大の、あるいはそれ以上のサイズには程遠いですね。

では、なぜ超巨大な昆虫が存在しないのか?

①呼吸の問題。

昆虫は皮膚に備わった気門によって呼吸をします。

取り込んだ酸素を直接体液に吸収させるガス交換システムは効率が良いものの、取り込める酸素の量は気門の表面積に比例するため、一度の呼吸で取り込める酸素の量には限度があります(自動車に置き換えるなら、エンジンの燃費はいいけれどガソリンタンクが小さい)。

そして、その単純なシステム故に、巨大化しすぎると内部まで酸素を行き渡らせることができません。なので、体の大きさが制限されてしまうのだとか。
おさらいですが、恐竜は肺の他に気嚢を備えたことで、この問題を解決しています。

②骨格の問題。

ご存知の通り、昆虫の多くは外骨格生物です。

内骨格生物が骨や筋肉という柱で自重を支えているのに対し、彼らは枠組みとなる殻でその自重を支えています。

その殻の主成分であるキチン質では、ある一定以上の重量には耐えられないのです。陸に打ち上げられたクジラ同様、巨大化しすぎると自重で潰れてしまうというわけですね。

③生態系的役割の問題。

そもそも昆虫が巨大化した場合、メリットよりもデメリットのほうが多いからです。

先日の逆ベルクマンの法則で触れた通り、巨大化すれば外敵に襲われにくいというのは事実でしょう。どんな生い物も、自分より大きな生き物には挑まないものですから。

しかし、その反面、体が巨大化してしまうと物陰に隠れることができなくなります。物陰に隠れられないということは、より上位の捕食者から狙われやすいということで、結果として外敵との接触頻度が増加するわけです。

戦って勝つよりも、戦いを避けるのが生存競争の基本ですが、その意味で巨大昆虫は自ら窮地を招いてしまいます。昆虫が現代まで生き延びられたのは、ひたすら小型化し、あらゆる空間に身を隠しす方向性に進化してきたからです。

また、体を大きくするためには何度も何度も脱皮する必要があり、膨大な時間と食料が必要になります。そして、成長期間が長いということは、同時に、未熟で脆弱な幼虫の期間が長いということです。コンスタントに繁殖が行えないのでは、何らかの要因で種が途絶えてしまいます。

他にもいろいろありますが、大きいのはこの三点でしょう。

仮に巨大昆虫を種としてファンタジーに登場させるとしたら、酸素を内部まで浸透させる要素の導入(例えば、共生するバクテリアが変異し、酸素を過剰供給させるなど)、自重を支えることができる外骨格の強化が必要だと思われます。

呼吸器問題はちょっと思案中ですが、外骨格に関しては構成するキチン質を上回る強度の架空の高分子、あるいは混合物を外骨格の素材にすれば可能でしょう(例えば、クモの牙もキチン質ですが、同じ成分でできている昆虫の殻を貫きます。これは、牙はキチン質の他にタンパク質、亜鉛や塩分などが高い濃度で含まれており、強度が増しているからだそうです)。

ミネラルで補強する場合は、樹液などの植物由来のものだけでは足りないでしょうから、他の動物(人間を含む)の体液から補おうとするのが想定できます。つまり、人間に襲い掛かってきてもおかしくない。戦闘する理由になりますね。

ところで、最近のモンハンはラスボスが昆虫種らしいじゃないですか。格が上がりましたねぇ。虫好きとしては嬉しい限りです。

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