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日記、ところにより妄想。
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11月はとっても忙しい。あまり休みがないので、心が休まらない。
なので、精神的な癒しを物欲で満たすことにした。

以前話していたMTGのコレクションについてなのだが、高額カードを購入する前に、白武のMTGの歴史の中で特に思い入れ深い〈クリスの魔道士〉のフォイルカードを集めようと思った。

このカードを少し振り返ってみよう。
時は1999年10月。新エキスパンション、メルカディアン・マスクスが発売された。

事実上、基本セット第6版からスタートしたと言っても過言ではない白武にとって、初の大型エキスパンションである。(同年6月にウルザズ・デスティニーが発売されていたのだが、初心者丸出しの白武はまさかこのセットがあんなにも凶悪だとは知らなかったのである。その正体を知った時は時すでに遅く、店頭からほとんど消えていた)

当時はシングルで買えるということも知らなかったので、おそらく最も購入したセットと言っても過言ではない。

収録カードの思い入れだけで言えば、〈双頭のドラゴン〉も負けていないだろう。
欲しいと思っていた傍から、ブースターで一発当てしたカードだ。これは今でも大事にとってある。そして、このカードがなければ懐かしの我が小説「ステラリアル」は生まれなかった。

話しは戻って、〈クリスの魔道士〉について。
このカードは別にそこまでグッドコモンというわけではない。
赤系のデッキには入らなくもないだろうが、手札を一枚消費して1点ダメージは実に弱い。本体そのものが赤①マナと軽いので展開を阻害しないのは長所だが、ラノワールのエルフや極楽鳥などのマナクリーチャーを焼くしか能がない。

ただ、当時のMTGにしては結構な美人さんなので結構人気があったのではあるまいか。
そう思いたい。若き白武はまさにこの美人さんにノックアウトされたのだから。イラストが好きすぎて、自分で〈クリスの魔道士〉をメインカードにしたMTG漫画を描いたくらいだ。白武の古い友人は読んだことがあるかもしれない。いま読み返したら、白武は間違いなく発狂死するだろうが。黒歴史すぎて。

もちろん、イラストアドだけではい。
よく対戦していた友人の〈ツンドラ狼〉を一方的に焼き殺してくれて、後の展開を大いに助けてくれた縁の下の力持ちだ。

別に〈ツンドラ狼〉に恨みはないのだが、あのわんこが1ターン目に出てくるといろいろ厄介だったのだ。当時は二人ともMTG初心者で、セオリーやテンプレートを知らなかったものだから、とりあえず好きなカードを詰め込むカジュアルプレイが主流だった。そのため、友人は〈ツンドラ狼〉に〈神性変異〉とかオーラして殴ってくるのである。先制攻撃のいやらしさを知った瞬間だった。

だが、そんな〈ツンドラ狼〉を〈クリスの魔道士〉は狙い撃ちしてくれる。
〈ショック〉などの軽量火力が初手にない時も、〈クリスの魔道士〉さえいてくれれば結構な確率で焼きわんこしてくれたのである。

そんなわけで〈クリスの魔道士〉が大好きになった白武は、もともと一枚のフォイルカードを所有していた。どうやって手に入れたかは覚えていないが、たぶん知らない誰かとトレードしたのではないだろうか。

そこまで好きなら、いっそフォイルカードを集めるだけ集めてみるか。
そう思って、10月の終わりくらいから収集を始めた。

これを書いている時点で、合計29枚のフォイルカードを集めることに成功した。
え? たった29枚?
そうなのよ。白武も意外だったのだが、ほとんど市場に流通していないのだ。
もともとメルカディアン・マスクス自体が20年前のカードであるし、〈リシャーダの港〉のような強力なカードならばともかく、こんなコモンのフォイルなんて白武以外のどこに需要があるのかという話なので、よく考えれば当然の結果である。

そして、そのわずかに流通していたカードも買い占めてしまった。
インターネットで調べられる限りの国内分は、おおよそ手に入れたと思う。あとはちょこちょこ売り場をチェックしながら、数を増やしていこうと思う。

そうやって集め出したら気になってくるのが、じゃあこの〈クリスの魔道士〉のフォイル仕様が全国にどれくらい存在するのかということだ。

当時のフォイルカードは現在の封入率と違い、100枚に1枚の割合だった。
これはレアリティに関係なくフォイル仕様があるので、メルカディアン・マスクス350種類のすべてにフォイルカードが存在する。

350種類のカードの中から、100枚に1枚のフォイルカードを当てる確率は単純計算で35000分の1。35000枚引けば、1枚は〈クリスの魔道士〉のフォイルが手に入る。

メルカディアン・マスクスが全部で何万枚印刷されたかわからないので、正確な数字は出ないだろうが、ここでは憶測で計算してみよう。
MTG史上初のセット、アルファ・ベータが累計で約1000万枚印刷されている。
これはあくまでアメリカ国内だけの流通量で、しかもここまで隆盛する以前の数字だ。1999年頃はMTG全盛期であり、日米以外の国外にも流通しているので、印刷総枚数はこの比ではないと思われる。

とりあえず、日本国内流通分を暫定的に初代の1000万枚の10倍、1億枚で計算してみよう(やりすぎか?)。
その中でフォイルカードが出る確率は35000分の1なわけだから、ざっくんばらんに2857枚ほど〈クリスの魔道士〉のフォイル仕様が日本に存在していると思われる。国内流通分の数字で解がだいぶ変動するが、実際、まあこんなもんじゃねぇかなと思う。誰か詳しい人がいたら計算して答えを教えてほしい。

暫定のまま進めるが、そうなると白武が保有している29枚はそのうちの約1%。
これをすごいと見るか、全然だと見るか……〈クリスの魔道士〉コレクターを名乗るには、まだまだ道のりは長そうだ。
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