日記、ところにより妄想。
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序の太刀 剣聖の太刀(前)
「そなたにミリアルデの諱を与える。億の流派を総べるただの一振りで在れ」 一の太刀 千変万化の太刀 「なにが千の太刀よ。私を倒したければその百倍は持って来いっての」 「……お嬢様。千の百倍は十万です」 二の太刀 空渡り 古事に曰く、エリムは空を駆けたという。彼女の跳躍は神話の再現。地に縛られる人の身でありながら、空の魔獣と渡り合った神代の御業の鱗片。 「飛んだり跳ねたりするのが、あんたの専売特許だと思わないことね!」 三の太刀 邪剣使い 「蛇腹剣か……!」 それは正当な剣術使いを狩るためだけの邪な剣法。剣客は剣を学ぶが故に、剣とはこういう動きをするものだ、という固定観念を持っている。生粋の剣士であればあるほど、それを覆された時の精神の揺らぎは大きい。だが、生憎とミリアルデの剣もどちらかと言えば邪剣に属するものだった。何せ、彼女の流派は『人ではなく獣を殺すための生み出されたモノ』に端を発するのだから。 四の太刀 烈火の太刀 土は強固だが融通が利かぬ。火は苛烈だがいずれ燃え尽きる。水は自在だが、それでも高きから低きに流れる縛りからは逃れられぬ。 「――故に、心は風の如く在るべし」 五の太刀 常勝の剣 肉体の動きを陽、精神の動きを陰と呼ぶ。相手の動き出しを見切るミリアルデは陽の極致であり、その裏をかく技術は正に陰の極致と言えた。 「先を読むのと裏をかくのは違う。帆船というものがあるだろう。風もまた人の手で繰れることを知れ」 「こちとら内陸育ちだ。帆船とか知るか!」 六の太刀 暗殺者の剣 「――居合か」 悔しいが、初速は向こうが上手だった。居合の神髄は、相手が臨戦態勢を取る前に勝負を決める、即ち『相打ちを封じる』という一方的な勝ち方にある。つまり、競うべきは速さではない。 七の太刀 巨人の間合い 常人離れした七尺を超える巨体。恐ろしく長い手足。大剣を軽々扱う怪力。彼はミリアルデが唯一持ち得ない肉体の才能という壁そのものだった。 「柔能く剛を制す? ――は。小癪な太刀技など己の素養の無さを認めぬ凡夫の足掻きに過ぎぬ。強剛能く柔を断つという言葉を知らんのか」 八の太刀 最強の敵 筋繊維には瞬発力に優れた速筋と持久力に優れた遅筋が存在するという。速筋の比重が極端に多い彼女の二刀はただただ速い。突き詰めれば、その速さだけで人を殺せる。認知外の速度で迫る切っ先は防御も回避も間に合わせない。彼女は間違いなく、最強の敵だった。 九の太刀 秘剣、竜屠り 「いいわ、見せてあげる。ベルイマンの――いいえ、エリムの秘剣を」 それは一切を秘匿された神代の剣。竜を屠る。ただそれだけのために編み出された、奇跡のような、ただ一つの太刀。 十の太刀 隠者の太刀 老剣士は優しく微笑んだ。 「――抜かずに斬る、か。剣の極意、確かに見せてもらったよ」 終の太刀 剣聖の太刀(後) 「ミリアルデよ、何を望む?」 「――剣聖の名を頂戴したく存じます」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ……という感じのエイプリルフールネタを考えていましたが、月末にかけてものっそ忙しかったので実施することはできませんでした。 というか、型月のエイプリルフール見逃した。去年もそうだった気がする。 しかし、地獄のような連勤もようやく一休み。今日はのんびりしよう。 PR |
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男性
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1985/12/07
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絵画、読書、小説執筆
自己紹介:
F県に棲息するナマモノ。
創作家になれるよう、亀の歩みで成長中。
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