日記、ところにより妄想。
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――君は高潔な人間だね、と男は言った。
自分はそうだとは思わない。ただ、自分は善なるものでありたいと願っていただけ。父と離婚し、失意のうちに病死した母に残された、たった一人の家族がわたしだ。母が息を引き取るまでの間だけでも、誇らしく思えるような娘で在りたかっただけだ。 とはいえ、善か悪かで問われれば、自分は善だったのだろうと思う。 時間を超越したある種族に善悪の観念を問われた時のことだ。空腹に喘ぐ子供が窃盗をするのは悪なのか、と。 わたしは窃盗を働いた子供が悪なのではなく、その状況を生み出してしまう環境こそが悪なのだと答えた。人間が起こす行動は環境に起因するからだ。悪を容認する環境であれば悪は生まれる。わたしが善なのは、わたしを善なるものとして形成する環境があったからだ。 わたしと「彼女」は最後に友情を交わすことができた。善であること。それは究極の相互理解の形態の一つである。であれば、そこに人と魔の区別などない。たとえそれが人類でなかったのだとしても、人間社会の観念に通ずる善を身に着けたのであれば、手を取り合えるはずなのだから。 ――だが。 わたしは遭遇した。目の当たりにした。人間の醜い業を。欲望を。 「彼ら」によってもたらされた技術や知識に人格はない。ましてや悪意などあろうはずもない。脳を生きたまま摘出する技術も、生き永らえさせる技術も、見方によっては人知を超えた偉大な医学だ。正しく使えば、きっと万人を幸福にすることができる。 知られざる神話に生きる「彼ら」の本質は悪でもなんでもない。怪異は所詮、怪異にすぎない。我々に理解し得ないだけであって、理解し得ないものを悪と断じるのはこの種族の悪癖だ。 そう、人間だ。いつだって人間の欲こそが、あらゆるものを悪に染め上げる。 あの忌まわしい研究所。あれは人間の我欲の産物だ。邪悪な知識を、邪悪なままに弄ぶ人間が作り出した地獄だ。 わたしは恐ろしかった。どのような環境があれば、これほどの悪が生まれるのか。人間に備わった悪のキャパシティには際限がないのか。こんな醜悪な生き物を野放しにしたままでいいのか。わたしには、幾度となく邂逅した知られざる神々よりも彼らのほうがおぞましい。 これ以上の悲劇を招くことは許されない。わたしは知ってしまったのだから。世界の裏側に眠る大いなる神々と、それに翻弄される人間の醜い心を。 だから、殺すと決めた。 邪神の知識を欲望で弄ぶ人間を。善なるものを生贄のように扱う人間たちを。 まずは、わたしを殺そう。高潔な蔵式雪緒を殺そう。 これからわたしが為すべきは、これまでのわたしとは真逆の在り方だから。人を殺せない蔵式雪緒の人格は邪魔になる。 燃え盛る研究所で、わたしはわたしに別れを告げた。母が誇った雪緒はもういない。地獄の元凶が謳った雪緒はもういない。 ここに立っているのは、悪を断ずるために悪を成す、ただの――。 というわけで、クトゥルフTRPGをプレイして初めてのPC引退です。 ようやく使い慣れたキャラクターと別れるのは寂しいですが、これがクトゥルフなんですよね。 どのような形でフェードアウトするか悩みましたが、セッション中にひたすら「いいひと」を演じてきたので、とりあえず悪落ちしようと思いました。それは一切の悪を許さぬ、正義という名の狂気。邪悪な信奉者絶対殺すマンになった雪緒ちゃんの活躍にご期待ください。今後は研究所をひたすら爆破していく人生になるのでしょうね。 新しいキャラクターは現在作成中。どんなキャラクターにしてやろうかしら。 最後に一言。 異種姦って最高ですね。 PR |
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プロフィール
HN:
白武士道
年齢:
38
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性別:
男性
誕生日:
1985/12/07
趣味:
絵画、読書、小説執筆
自己紹介:
F県に棲息するナマモノ。
創作家になれるよう、亀の歩みで成長中。
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