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日記、ところにより妄想。
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金がない。

ちょっと他人様に七千円ほど貸したもんで、現在財布に樋口さん一枚しかない。

そして、仕事の帰りにウェストのうどんを食べ、四冊ジャンプコミックスを買ったら、野口さんが二枚に。給料日まであと五日もあるんですが。

これでは四日分の煙草代しかない。ちなみに吸わないという選択肢はありません。運命の時が来るまでは吸い続ける所存です。

漫画買わなきゃ全然乗り切れたのに……だが、ダメなんだ。本は見たその時に買わないとダメなんだ。いつか買おうとか思ってたら忘れるんだ。意外に。

貸したお金も来週には戻ってくるんですが、うーん。

というか、仕事に行くにも交通費がかかりますからね。業腹ですが、また折を見て下ろしに行かなきゃなりませんかね。
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妹が、仮面ライダー剣十周年記念のラウズカード復刻版をコンプってて引いた。

相変わらずヲタ街道まっしぐらというか、一体誰に似たんだか……あー、特撮に関しては僕だな、うん。

しかも、買っただけで封も切ってない。完全にコレクション用。こんな妹に誰がした。

しかし、あのカードデザインは美しい。コンボという概念も、カードバトルの走り出しだった龍騎より洗練され、ゲームチックになっていてよかった。

サンダーとキックでライト二ングブラストですよ。更にマッハを加えてライト二ングソニックですよ。いろいろな組み合わせを考えてしまいますよね。サンダー便利すぎ。

仮面ライダー剣は名作である。同時に迷作でもある。

序盤はどうなることかと心配し、中盤はどこに向かうんだと心配し、終盤は劇場版と流れが違うじゃねーかと心配し……心配しかしていませんが、あの最終回は平成ライダーでも屈指。

パンスペルミア仮説で言うところのシードマスターにより企てられる、不死の怪物どものバトルロイヤル。

勝ち残ったただ一体のみが、眷族の繁栄を許される。

しかし、同時に、不死の怪物どもは最後の一体になるまで戦うことをシードマスターより義務付けられている。

人類の繁栄を維持するために、封印が解かれた怪物たちを再封印する仮面ライダー。

バトルロイヤルの停滞を打ち破る活性剤として創造されたジョーカー。

主人公・剣崎は、激しい戦いの中、本来は真っ先に封印すべきジョーカーと友情を育んでしまう。

その結果、ジョーカーが最後の一体になってしまい、世界は”なかったこと”になる。

剣崎は己を不死の怪物化し、バトルロイヤルの続行をという状況を強制的に作り出して世界の崩壊を食い止めた。

不死の怪物同士は出会ったら戦うのが宿命。お互いを倒したい本能を押し殺し、この状況を維持するために、剣崎は誰とも触れ合えない遠いところへ……。

ぶっちゃけちゃうと、これって「故にそれは鬼と呼ばれる」のラストで書きたかったことなんです。いや、第何稿目のアイディアかわかりませんが。

鬼を宿した人間は鬼を倒さないといけなくて、主人公は鬼なんですが、彼が愛した女性にも鬼がいて、好きだけど殺さなくちゃいけない本能に葛藤する物語だったと思います。

盲目美少女書きたいという欲求から生まれた物語で、ヒロインは目が見えないんですが、終盤で手術を受けて回復するんですね。そしたら、目に鬼が宿っていて(この稿の設定では体の部位に鬼が宿る)、鬼として覚醒しちゃうという。

「ゆえおに」自体は設定が二転三転してるので、正直、もう考える気力もないんですが、なにかきっかけがあれば書きたいような気もしますね。

個人的に仮面の稿が好きなんですけどね。鬼の仮面をかぶった人間と、人間の仮面をかぶった鬼の話。変身する時にですね(変身って言っちゃった)、敵は鬼の仮面をつけるんですけど、主人公は人間の仮面を外すという、仮面ライダーの逆パターンというか。

どの稿でも共通するのは、貴也、涼香、瀬良という三人の主人公でしょうか。

いつか、日の目を見させてあげたいです。
やっと木刀キター。

包装されているビニールをびりびり破ると、新品の鉛筆の臭いがします。

全長、約三尺三寸。刃渡り、二尺五寸。重量は500~600g(なんでここだけ尺貫法じゃないんだ?)とやや軽め。

中にはがっつり重たいのもあるのですが、振りやすいものを選びました。もっといいやつもあったのですが、戦闘描写の資料(という名目)のために買ったので、折れたり、傷がついても後悔しない程度の値段にしました。それでも諭吉を一人生贄にしましたが。

持論では、ナイフより木刀の方が断然強いと思います。もちろん、相対する場所や使い手の技量にもよるでしょうが。

とある夫婦宅に侵入した強盗を、剣道有段者の奥さんが寝室の木刀で成敗したそうです。

相手はナイフを持っていたそうなのですが、小手打ちで手首を叩き折ったのだとか。

面を打てば頭蓋骨が割れ、最悪、死に至らしめる。胴に入れば肋骨を砕く。それなら、ナイフを持った手を小手打ちした方がいい。ちょうど、強盗は「木刀でなにができる。こっちは本物の刃物だぞ!」っていう小物オーラを出していたので、大したことないなと思って実践してみたのだとか。

もちろん、剣道経験のある奥さんだからできた芸当でしょうが、強盗よ、木刀舐めすぎ。これ、鈍器よ。当たったらシャレにならんよ。

もっとも、現代社会では携帯できないっていうのが最大の弱点なんですけどね。奥さんも得物がある室内だったからよかったものの、外だったら危なかったでしょう。

とりあえず、木刀で遊ぶぞ。

祖父の葬儀に出席してまいりました。

僕は身内を葬式に出るのは初めてです。というか、葬儀自体あまり経験がありません。冠婚葬祭にはあまり縁のない星の下に生まれたのでしょうか。

そのうち、僕が喪主になることもあるでしょう。勉強だと思って、最初から最後までご一緒させていただきました。僕にできることは受付からお礼参りから何でもやりました。

霊柩車に乗ったのは人生初です。長時間、車に揺られるのは祖母にはきつかろうと、僕が位牌を持って乗り込みました。

火葬も初めての経験でした。最後の別れ、という言葉がよくわかります。人間というのはやはり視覚的な生き物で、亡骸があると、どこか故人がまだ傍にいるような気がしますが、その形が永遠に失われてしまうと、明確に喪失感が湧きあがります。

適切な表現ではないのですが、二度と手に入らないお気に入りのカップが割れてしまった時のような感覚です。亡くなるとは無くなるということか、と。

しかし、残念ながら、やはり涙は出ませんでした。男の子だからでしょうか。それとも、本当にひとでなしだからでしょうか。

一時間半ほどで火葬が終了し、骨だけになった祖父と再会。人間の骨をまざまざと見たのは人生初めてです。土くれに還るとはこのことか。まだ高温で陽炎昇る鉄板の上に横たわる、リン酸カルシウムの塊が祖父と同一のものとは到底思えません。

僕は大腿骨を骨壺に収めました。下半身から骨を拾って、重ねていくのだそうです。喉仏を一番上にして、最後に頭蓋を被せるのだとか。

骨壺も僕が持ちました。まだ骨が熱を持っているのか、膝に乗せた骨壺はほんのりと温かかったです。

つつがなくすべてが終わった。喪主である祖母と、長男の父はまだまだ後始末があるでしょうが、孫の僕はここでフェイズアウト。

さて、そろそろ僕の日常を回し始めよう。

祖父が危篤状態になり、ちょうどお休みだった僕は慌てて帰郷。

医師と看護師の適切な対応によってどうにか持ち直し、僕はまだ息のある祖父と再会することができました。

しかし、次はもう無理だろうとのこと。

数年前から認知症を患い、骨折を機に入院生活を送っていた祖父。元気だったころは、僕よりも背が高く、あちこち連れまわしてくれました。

それが、今ではすっかり痩せ衰え、枯れ木のような姿になっています。

その数時間後、祖父の容体が悪化。そっと息を引き取りました。

月並みな言葉ですが、僕が帰ってくるまで待っていてくれたのでしょう。そして、思い残すことなく命を終えたのでしょう。

心臓が停止したばかりの遺体というのは本当に温かく、まだ生きているのではないかと錯覚してしまいます。

しかし、筋肉は弛緩しきって口は閉じられず、開きっ放し。血が廻っていないため顔は青白い。亡骸に触れていると少しずつ、本当に少しずつ、冷たくなっていきました。

不思議と涙は出ませんでした。家族はわんわん泣いているのに、僕だけが平静でした。

自分の薄情さ加減にうんざりします。それどころか通夜、葬式に備えて仕事をどう調整するか、どうすれば同僚の負担を最小限にできるか、そのことばかりを考えてしまいます。

あれだけお世話になった人が亡くなったというのに。恥も外聞もなく泣きわめけばいいものを。

唐突なことで感覚が麻痺しているのだと信じたい。そうでなければ、自分の人間性というものを疑ってしまう。ただでさえ、自分は他人の気持ちがわからないのに、自分の気持ちすら把握できていないことになってしまう。

あるいは。自分で思っている以上に、覚悟が決まっていたのでしょうか。

高齢者が入院するということは、ある意味、死の宣告にも等しい。治療を受けたとしても回復することはない。絶対と言っていいほどありえない。ADLを如何に維持し、QOLを高め、ゆるやかに苦しまずに逝けるかがターミナルケアの本質だ。

いつか、そういう日が来る。入院したその時から、僕の中ではすでに、祖父は生きてはいなかったのかもしれません。

通夜、葬式と忌引き休暇を取りました。

荷物を取りに一度帰宅しましたが、これからまた里帰りをします。



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