溺死

やっちまった。

もともと白武はドジですが、近年稀に見る素晴らしいポカをやらかしてしまった。

あまり大声で言いたくないのですが。

ケータイを洗濯してしまったのです。

気づいて取り出した時にはすでにお陀仏。

まあ、ケータイショップに行って買い換えるなり、修理するなりすれば解決する問題ですが。
白武はちょっとした都合で親名義の契約になっておりまして、契約者の委任状がないと修理も買い替えも出来ないのです。

ここで思い返してみよう。

白武は仕事の都合で地元を遠く離れ一人暮らし。
そして、部屋に固定電話はなく、連絡手段はすでに溺死したケータイのみ。

修理しようにも、これでは親と連絡が取れない……！

公衆電話を探すのに苦労しました。
いや、仕事の電話借りればいいじゃんって話だったのですが、宿直で貫徹した後にまた仕事場に戻るのが嫌だったのです。

あー、もう。このケータイ、仕事でも使うのに。どうすっかな……。

こうして、しばらくの間、連絡手段が途絶える白武でした。