忍者ブログ
日記、ところにより妄想。
[1260] [1259] [1258] [1257] [1256] [1255] [1254] [1253] [1252] [1251] [1250]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それが走馬灯だと理解するのに、時間はかからなかった。

美術部で馬鹿な先輩二人を相手に七転八倒する、懐かしくも輝かしい日々。それが映画のダイジェストのように脳裏に映し出される。

倉本あゆみは死に体だ。体を巡るはずの血液のほとんどはアスファルトにぶちまけられ、生命を支える重要な器官は生ごみのように転がっている。

意識があるのが奇跡だった。

けれど、それも束の間。きっと、このダイジェストが終わると同時にあゆみの人生は幕を下ろす。

「ああ、こりゃひどい。内臓がぐちゃぐちゃだ。不運というか、幸運というか、心臓だけはきれいなままだけどね。けど、どのみち手遅れだ。このままでは、いずれ死に至る。……僕の不始末と言えば、そうなんだけど」

薄れゆく意識の中、誰かの声が聞こえた。

死に逝く恐怖心よりも好奇心が勝った。残った力を振り絞って視線を移す。たとえそれでダイジェストが早回しになるとしても。

黒猫、だ。

「質疑応答をしている暇はない。こう見えて、僕も余裕がないんだ。だから、単刀直入に言うよ――きみ、世界を救ってみる気はあるかい?」

それは悪魔の囁きのように聞こえた。

「悪魔とは失礼だな」

黒猫は心外そうに、まるで人間のように眉を寄せる。

「僕はね――魔法使い(プレインズウォーカー)さ」





MTG×仮面ライダー×水馬高校美術、そんなものを書いてみたいです。
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[10/27 白武士道]
[10/26 上村]
[11/22 MariahSharpe]
[09/20 白武士道]
[09/19 上村]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
白武士道
年齢:
38
HP:
性別:
男性
誕生日:
1985/12/07
趣味:
絵画、読書、小説執筆
自己紹介:
F県に棲息するナマモノ。
創作家になれるよう、亀の歩みで成長中。
ブログ内検索