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日記、ところにより妄想。
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ちょうど小学校に上がる頃でしたか。夜中、買い物に行きたいとわがままを言って、親を外に引っ張って行って困らせていた時、駐車場の近くの街灯に白い影のようなものが横切ったのです。

足のない、オーソドックスなシルエット。

ビビった僕は買い物に行く気など失せて、家に戻りました。

今にして思えば、当時トラウマだった「ねないこだれだ」という絵本の幽霊を幻視しただけだったのかもしれません。

さて、そんなエブリデイマジックな時期などとうに過ぎ、大人になった白武には霊感というものがかけらもありません。

霊的現象に関しては全体的に否定、部分的に肯定というスタンス。

悪魔の証明的に、幽霊が存在しない証明はできないので、別に存在しても良いけど、基本的に関わりがないからいてもいなくても一緒じゃろ。向こうから干渉してくるなら、こっちだって干渉できるんじゃい。作用反作用なめんな。という、本当に詠命剣奏を書いたのかというくらいドライです。いや、ある意味、生者と死者が手を取り合うという設定の下地か?

そんな白武なので、仕事していて一番困るのは幽霊がらみの相談だったりします。

「夜中、寝ていたら幽霊のおばあちゃんが手を握ってくるんです……」

なんて、夜中の4時に起こされた日にゃもう……。

握ってくるなら握りつぶせ、殴殺しろ!

なんて言えれば楽なんですけどね。

傾聴と共感はカウンセリングの基本だけど、ごめん、共感できん。こんな好戦的な職員ですまん。

しかし、理解できないなら理解できないなりに、幽霊という存在は理由によって成り立っていると思うのですよ。

幽霊になった理由。君の所にくる理由。君の手を握る理由。

その理由を知らずして、悪と決め付けるのはいかがなものか。

「君はおばあちゃんと仲が悪かったの?」

「いいえ。良好でした」

「だったら、君にとりついて殺すことはないんじゃないかな。色々悩んでいる君を心配して見に来てくれたんだよ。だから、君が思い悩まず、楽しく生きることが一番の除霊なんじゃない?」

と、ハートフルにまとめました。

しかし、おかげで寝れずじまい。おのれ、幽霊。来るなら僕の所に来ればいいものを。除霊するとか言って休んでやるのに。

とりあえず、塩でもまこうかしら。
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1985/12/07
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F県に棲息するナマモノ。
創作家になれるよう、亀の歩みで成長中。
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