愚痴

白武は「ひとそれぞれ」という言葉が嫌いです。

もちろん、それ自体はとても素晴らしい言葉です。
人間は誰一人として同じ者はいません。オンリーワンです。
性別。年齢。人格。容姿。家族構成。生育歴。趣味。思想――即ち、個性。

個である以上、それ以外の個とは相容れません。
それは仕方のないことです。みんな同じじゃないから、個性は輝くのですから。

訂正しましょう。僕はひとそれぞれという言葉は大好きです。
ただ……そう、ただ。「ひとそれぞれ」と発言する人間が嫌いになりました。

特に、何か話していても、「まあ、ひとそれぞれだよね」で会話を終わらせようとするやつ。

あのね。その使い方だと、「ひとそれぞれだから、僕と君では分かり合えない。この話はするだけ無駄だ」という意味に聞こえてしまう。

違うだろう。ひとそれぞれはそんなネガティブな意味で使っては駄目だ。

たとえ自分の好みの話題でなくとも、それでも相手の言に理解できるところ、共感できるところを探してほしい。それが無理でも、探すポーズはしてほしい。

それが、会話ってものでしょう？

そんな使い方をしたら、ひとそれぞれだから、結局、人間は分かり合えないのだと言っているようなものじゃないか。

相互理解の努力をしよう。理解できたかどうかじゃない。努力したかが問題だ。

……と、友人とメールしていて思った。

ついでに、ひとつ格言を思いついた。

白武の今日の格言。

短所がわかっていれば、おのずと長所は見えてくる。
短所以外の、君のすべてが君の長所さ。