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日記、ところにより妄想。
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休みの合間を縫って、ザ・サード【完全版】4巻を購入しました。

4巻は「死すべき神々の荒野(上・下)」の加筆修正と、書下ろしの「雨上がり-part time sunny-」。

すごい勢いでファンタジア文庫刊行分に追いついていますね。残りの長編は「迷宮の街の忘れもの」「竜谷の涯の旅人たち」「次元の闇の黒魔獣」の三つ。そろそろ短編集とかも完全版で出してくれないかな。

同時に、このあたりからザ・サードのイメージが暗く、陰鬱なものに変化していきます。いや、今となってはまた違う印象を受けるのですが、ゲヘナが刊行された当時の僕は、そのギャップに戸惑うばかりでした。

「凶天使」までは素直にザ・サードだと認めることができました。しかし、それ以降、少年誌から青年誌に代わってしまったような、グロとかエロとかの制限がなくなってしまったというか、人類を悪しざまに描くようになったというか……そういう印象がある。星野亮先生のご病気も、もしかしたら関係しているのかもしれませんが。

もっとも、「凶天使」までは辺境を舞台にしていたのに対し、「夢追い人」からは明確に辺境の外(惑星外も含む)の事情が関わってきますので、言ってみれば、宇宙は絶望で覆い尽くされていて、たまたま火乃香のホームグラウンドは世界観的に幸福なほうだった……というだけかもしれません。作中にもあるように、”一瞬の雨。それともあの蒼空こそが、雨天の合間に生じたつかのまの凪に過ぎない”のではないか――とかなんとか。

それはさておき、今回の読み切りはとても好みです。いや、ザ・サードで嫌いな短編ってあまりありませんけど。「糸」とかは、ちょっと後味が苦手ですが。

ゲヘナの後日談の、ちょっとした一幕。ただ火乃香とイクスが石の街を練り歩くだけですが、実にザ・サードらしい人間観で溢れております。

墓場だろうが、古戦場だろうが、時空間が歪曲してもうこりゃヤベぇと思えるような土地だろうが、人間はそこを住処とし、生きていく。どんな場所でも生きていける。

命を拒絶するかのような砂漠に――世界に対して、人間をなめんじゃねぇと高らかに叫んでいるよう。

人間という種の、力強さを実感できる一幕です。ひょっとしたら福島の暗喩かもしれませんね。星野先生、そういうのすごく意識しているから。

うーん。ザ・サードを読むと小説書きたくてしょうがなくなるな!
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