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日記、ところにより妄想。
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最近読んだ本。

更級楓著:「一千億の神」

お待たせしました。我が相棒、更級楓・珠玉の新作でございます。

ワードデータ自体はずいぶん前にもらっていたのですが、仕事とプライベートが何かと多忙で、なかなか読めずにいましたが、なんとか消化することができました。



伝承探偵・佐々木竜二郎とその助手・遠野渚のもとに今日も(今日は?)依頼人が現れる。

九州、大分。僧津という村からやってきた折笠と名乗る中年男性。

此度、僧津村が市と合併することになり、村の老人たちがそれに反対しているという。それには村独自の特殊な風習が関わっていた。

「――その祭りでは、巫女を村中の男で犯すのです」

村の豊作祈願の祭りで行われる(現代の価値観でいえば)おぞましい儀式。

その巫女が、最近どうも様子がおかしい。村の老人たちは、巫女が胡乱になるのは、神が市への合併を拒んでいるからだという。

無論、そんなことはありえない。

その真偽を見定めるために、折笠は佐々木竜二郎を訪ねたという。

かくして、竜二郎と渚は大分県僧津へ足を踏み入れる。

未だなお神の気配が息吹く、未解体の地へ。



佐々木竜二郎と遠野渚が知識と経験、行動力で事件を「解体」する――というあらすじでございます。

ここまで読んで「ん?」と思ったあなた。あなたは正しい。そう、これは未来歪曲第一章のリファインなのです。

あの名編が現在の更級の技量を以て鮮やかに、そして、より高度に新生する。

今作の特徴は、なんといってもテンポの良さ。比較的ライトな文体でさくさく読めます。そして、謎に対する鋭い考察にぐいぐい引き込まれていきます。

また、こういう土着的な風習を語るうえで欠かせないバックボーンの説明もまったくクドくなく、むしろあっさり控えめで飲み込みやすい。その手の内容がまったく無知でもすんなり喉を通ってしまうよう、きれいにまとめられています。

そして、そこはかとなく漂うBL臭。これは既存の作品にはなかったものです。新しい更級小説の扉が今開かれました。腐った人たちいらっしゃい。

最後に……巫女は、貧乳なんや……。

まだまだ語りつくせませんが、非常に完成度の高い作品であることは間違いありません。

残念ながら、投稿用作品なので公開はされませんが、落選した暁には――縁起でもない、いやむしろ、これでデビューしてシリーズ化狙ってみては!?という感じです。

次回も、更級小説をお楽しみに!


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創作家になれるよう、亀の歩みで成長中。
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