かべちょろ汁

台風がすぎてからというもの、めっきり涼しくなり、朝方なんかは肌寒さを覚えるこの頃。

久しぶりに湯船に浸かろうと、キメラ狩りしながらお湯が溜まるのを待っていました。

「混沌の爪全然でねぇ！黒セイバー再臨できねぇ！」

という雄たけびをあげながら十五分後。蛇口を止めに風呂場に行ったら、かべちょろが浴槽に沈んでいた。

……ああ、きみ、風呂場に隠れていたんだね。

うちの風呂場には換気扇がなく、もっぱら窓を開けて湯気を逃がす構造になっているのですが、時たま生き物が風呂場の中に侵入していることがあります。

酷い時はスズメバチが入り込んで、死ぬかと思った時も。

かべちょろは溺死というか、熱死。

僕は浴槽に熱湯を入れて、あとから水を出してうべる（九州の方言でぬるくするってニュアンス）のがスタンスなんですが、恐らくかべちょろが落ちた時には浴槽の中は五十度とか、それくらいだったでしょう。

ただの水だったらどうにかなったかもしれませんが、どうにもならなかった様子。

可哀そうだけど、かべちょろはご臨終。

さて、かべちょろ汁に浸かるか。

え？　不衛生？　かべちょろの出汁が入ったくらいでは死なんよ。ガス代がもったいない。