鉢巻に足りない

深夜。仕事場に百足が出ました。

15ｃｍ級。けっこうでかい。噛まれると洒落にならないので、倒すことを決意。

棒切れで頭を潰して引きちぎっても、胴体は逃げようとうねうね動く。さすがの生命力。まあ、これは神経回路の構造上、脳からの命令がまだ生きているだけでそう見えるだけらしいですが。

しかし、気持ち悪いものは気持ち悪い。動かなくなるまで滅多刺し。完全に動かなくなったのを確認して、新聞紙に丸めて処分しました。

いやー、死闘だった。気分的には藤原秀郷。山を七巻き半する大百足を倒したエピソードで有名ですね。棒切れに唾でもつけて八幡神にでも祈ればよかったか。

よく「ムカデはつがいでいる」と言いますが、調べたらそんな習性はないそうです。ゴキブリのように単に一匹見かければ何匹もというやつだそうです。

そう、ゴキブリ。ムカデはゴキブリを食うんですよね。ムカデがいるってことはつまり……。

さて、れっきとした衛生害虫（人間に害がある）ですが、”絶対に後退しない”俗説から、戦国時代はトンボと同様に勝ち虫として武具のデザインに取り入れられたり、足が多いことから商人に縁起物（客足が多い）として扱われたりと、日本人の生活には馴染みがあったようです。

大陸では漢方の素材だったり、料理に使われたり……いや、昆虫食は一回体験してみたいけど、ムカデは……。

ちなみに白武世界では「（自然界の狩人の中で）最高は犬、最強は熊、最速は蜂」としていますが、ムカデは蜂、蟻に次いでなかなかの優良種です。

というか、もうそういう季節か。虫は夏の風物詩とはいえ、気が滅入るな。