なんとなく書きたくなった。反省はしてない。

――少女剣士。

それは白武作品を語る上でなくてはならない存在。
白武士道が書き綴った小説群の中で、実に半数の主人公が刀剣を得物にしている。

それは若さゆえの過ちか。
はたまた…………やっぱり、若さゆえの過ちか。

少しばかり、過去を振り返ってみることにしよう。


コニィ
「というわけで、誰が最強の少女剣士か決めたいと思いまーす。
司会進行はわたし、元祖にして永遠の少女剣士コニィ=アーベルクラインが務めさせていただきます。
それでは、選手の紹介です。
トップバッターはこのひと。風の軌跡より『ミス無個性』ことエーシェさん！」

エーシェ
「魔法剣士！　私の二つ名、魔法剣士だからね!?」

コニィ
「エリクシルを継ぐ者より『盗賊狩り』ベルアルカさん！」

ベルアルカ
「一体、誰得の内容なんだ、これ……？」

コニィ
「初めてＳＦを書こうとして壮大に失敗したCINDERELLAより『灰被り』ウィズさん！」

ウィズ
「……私、銃も使う（※1）……」

コニィ
「詠命剣奏より『紅蒼の舞姫』不破八潮さん！」

八潮
「が、外人ばっかりだー（※2）……すごく場違いな気がしますね……」

コニィ
「わたしも含めまして、以上五人で競い合いたいと思います！」

ベルアルカ
「競い合うっていってもなぁ……なんだ、実際に斬り合うわけか？」

エーシェ
「そもそも最強の定義が曖昧なのよね。単純に設定通りの強さだったら、八潮の勝ちなのよ。この娘、擬似太陽とか作れる（※3）から」

ベルアルカ
「……マジで？」

ウィズ
「ブラボー……」

八潮
「いやー、我ながら破格のスペックですよねぇー。正直、詠命剣奏の世界は強さの次元が違うと思いますよ。マブラヴオルタネイティブの世界にデモンベインが参戦するようなもんですし」

ベルアルカ
「あたしたちがリアル系だとすると、八潮はスーパー系なわけね。そりゃ比較にならないわな」

コニィ
「設定をそのまま反映すると八潮さんの圧勝になるから、ここは純粋に剣士としての力量を問いましょう」

八潮
「そうなると、途端に私は最下位でしょうね。ただの女子中学生ですし。戦うことが日常茶飯事のファンタジー出身の方々には遠く及びませんよ」

エーシェ
「私も剣士としてはそこまで技量は高くないわね。私のは、あくまで魔法を活かす剣術だから。単純に、剣士としてなら、コニィかベルアルカが随一だと思う」

コニィ
「力なら負けない」

ベルアルカ
「速さなら負けない」

八潮
「力のコニィに、技のベルアルカ。その中間がエーシェさんですね。でも、身体能力の高さならウィズさんも負けてないんじゃないですか？」

コニィ
「そういえばそうだよね。オーバーテイカーなんだから。ベルアルカさんもほんのちょっと人間辞めちゃってるけど（※4）、人外って言ったら私かウィズさんだもんね。身体能力なら、わたしとウィズさん、どっちが上かな？」

ウィズ
「……用語集では、オーバーテイカーの肉体は、あなたの『肉体優位』と同等って書かれてたわね。実際には無尽蔵の活力供給があるあなたのほうが有利でしょうけど。具体的なスペックなら……そうね。パンチ力は１トンくらい……かな」

ベルアルカ
「仮面ライダーじゃねぇか」

エーシェ
「設定的にも改造人間だしねぇ」

ウィズ
「……私は無機強化体じゃないわ」

八潮
「どう違うの？」

ウィズ
「無機強化は身体に機械のパーツを組み込むこと。わかりやすく言えばサイボーグ。オーバーテイカーは遺伝子を操作して、先天的に強い肉体を作る有機強化体」

ベルアルカ
「どっちにしても改造されてんじゃないか」

ウィズ
「仮面ライダーはサイボーグでしょう？」

エーシェ
「最近のものはそうでもないけどね」

コニィ
「剣士としては、どうかな？」

ウィズ
「そうね……身体能力なら、あなたにも負けないと思うわ。ただ、剣術では負けるでしょうね。そこの『ミス無個性』と同じように、私にとって剣は自分の肉体を有効に使うための道具だから」

コニィ
「んー、なるほど。傾向としては……みんな、身体能力とか特殊能力に依存した剣の使い方をしてるってわけか……もっと純粋に剣術を使わんかい！」

四人
「「「「精霊化できるあんたが言うな（※5）」」」」

コニィ
「今後は純粋に剣術が強い女の子を書きたいですねーって作者が言ってるわね」

ベルアルカ
「どうせ言うだけだろ」

おわり。

※1…基本的に自動小銃をまず使う。
※2…考えてみれば、詠命剣奏が唯一現代世界を舞台にしたバトルものである。
※3…最終章において、ブラックホールを作る過程で太陽を作った。
※4…終盤、エリクシルによって瀕死の重症から超回復した時、人外の反射速度を得た。
※5…結局のところ、八潮を除けば、身体能力的、技術的に最強はこの人である。