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日記、ところにより妄想。
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「――〈巨大化〉。文字通り、対象の質量を増加させる呪文だね。次元渡りが使う、最も初歩的な呪文の一つだ」

一枚のカード……絵札の形状を取っているだけで、魔導書数冊に匹敵する膨大な情報量を収納した……を持った私に、黒猫が話しかける。

物体の体積の増減、本質の変容は、魔法の基本的なイメージだ。
例えば、一寸法師の打ち出の小槌。シンデレラのかぼちゃの馬車。あとは…何があるかな。

「うまくコントロールすれば、あらゆる物体に適応される。質量とエネルギーの関わりが深いこの次元では、特に有用な呪文となるはずだ。早めに回収できて行幸だったね」

「もし、コントロールできなかったら?」

「はは。その時は、昨日みたいになるだけさ」

ビル街での怪獣大決戦か……思い出だすだけで頭が痛くなる。

しかし、先日の件で、この呪文が生物にも非生物にも効果があることは証明済みだ。

あとは、こいつの言う通り、うまく制御できるか否か。

「つまり、きちんとコントロールさえできれば、私の胸も、念願のBカップになるってことだね!」

「呪文を使ってやることがそれなのか!? しかも、せっかく巨大化できるというのに、それくらいでいいんだ!?」

「うっさいな! 世の中の男子が考えている以上に、Bカップは残念なんかじゃないんだぞー!
いざゆけ、私の想い! 私の胸に〈巨大化〉!」

コントロールは成功した。

ああ、ブラの締め付けがきつい。これが、はちきれんばかりの乳というやつか。少し苦しいけど、その束縛感のなんと心地よいことか。

黒猫の言うとおり、私には魔法の才というのがあるのだろう。
かくして、〈巨大化〉の呪文式は暴走することなく処理され、ささやかだが、確固たる重みを私の胸にもたらしたのだ。

……三分だけ。

「言い忘れてたけど、それ、即応魔法(インスタント)だから効果短いよ?」

もっと早く言え。




魔法少女あゆみ。20!4年、新連載開始。

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コメント
無題
健一「良いからあゆみちゃん、その空虚への扉を捨てるんだ!」
【2012/11/26 20:00】 NAME[赤い服の女] WEBLINK[] EDIT[]
無題
かくして、〈空虚への扉〉は開かれり。
すべては我が主、ニコル・ボーラス様の意のままに。
なーんて、ちょっと真面目な話も書いてみたいぬぇ。
【2012/11/27 05:43】 NAME[白武士道] WEBLINK[] EDIT[]


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1985/12/07
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F県に棲息するナマモノ。
創作家になれるよう、亀の歩みで成長中。
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